2025.04.05 桜周遊:県央~県南方面
栃木県の県央~県南方面の桜の状況を見て参りました♪

そろそろ桜の季節かな……という状況になってきたのだが、見頃になるかと思われる来週末の天気予報がちょうど雨天なので、一足早めに南の方の桜を見てみようかと思い立った。春の天候は雨天と晴天が交互に訪れるパターンになりやすく、これがまたちょうど1週間くらいのサイクルなので運が悪いと週末が全滅になりかねない。今年はそんな気配があったので、一足先に桜の咲いている南方面に足を延ばしてみた訳だ。
行先としては、宇都宮市の八幡山公園、栃木市の大平山周辺、おまけとして足利フラワーパークを見てみよう。
■ 桜事情は意外とややこしい

さて旅立つ前に桜の幾分ややこしい事情について書いてみたい。いわゆる桜前線とか開花宣言のニュースというのはソメイヨシノを基準に語られることが多い。これは見た目の美しさもさることながら、戦後の高度経済成長期に全国の公園、庭園、公共施設に大量植樹されて個体数が多いこと、また遺伝的に同じ個体(クローン)が全国に散在していることから気象庁が桜の開花状況を調査する際に標本木として使いやすいという事情による。
しかし桜の樹種というのはこれ以外にもいくつもあり、開花期はソメイヨシノのは厳密には一致しない。たとえば上の写真は那須塩原市:法真寺のヒガンザクラ(市の天然記念物)であるが、その名の通り彼岸の頃には開花する早咲きの種で、これは既に満開になっている。

また最近公園などに植樹されて急速に増えているのが河津桜(※)で、これはヒガンザクラよりさらに開花期が早い。従来多かったソメイヨシノに加えてヒガンザクラや河津桜を植えると 「いずれかの桜は咲いている」 という期間を長く設定でき、桜祭りなどの集客イベントを長く開催できる利点がある。 こういう背景があるので花見の見頃の定義というのが最近は揺らいできている。
※河津桜:静岡県河津町で偶然発見された野生の交雑種。開花期が2月からと早い。新種と認定されたのが1974年と新しく、1本の原木から接ぎ木で増殖されている。

さて筆者の居住地における伝統的なソメイヨシノの状況は、ぼちぼち開花はしているけれども見頃にはまだしばらくかかるんじゃない?という段階にある。 このまま晴天が3~4日もつづけばいい感じに開花してくれそうに思えるけれども、そのいい感じになりそうな来週末の天気予報は雨らしい。ゆえに今回は南方視察で早めの出張花見をしておこうと思い立った訳だ。
まあどうせ見るなら晴天で青空バックがいいし、たまには花見を理由に遠出するのも悪くはあるまい。
そんな訳で出発

そんな訳で午前06:30頃に自宅を出て東北自動車道で南下していく。空模様は若干の春霞がかかりつつもまあ晴天だ。天気予報によると午後に雲が出てくるようなので、早めに動くことにしよう。

宇都宮ICで高速を降りてR119に乗りさらに南下していくと、およそ10kmほどで八幡山公園に到着する。JR宇都宮駅からは2kmほどの市街地にあたり、付近にはあまり目立たないが古墳や古代遺跡が多く発見されているところだ。 今回は桜を見に来ているので歴史談義は大幅カットして、とにかく花の様子に集中しよう。
■ 八幡山公園

さてさっそくその八幡山にやってきた。このあたりは高原山~日光~足尾付近の山地から伸びる分離丘陵の連続体の南端部にあたる。地質的には宇都宮丘陵などと呼ばれる一帯だ。 この連続丘陵の最南端にあるのが二荒山神社で、宇都宮の町としての起源はこの神社の門前町から出発している。
八幡山はその名の通り神社仏閣の集積する宗教地区だったところで、現在は公園として整備されている。ギャンブル好きのお父さんには 「競輪場のあるところ」 といえば通りが良いだろう(笑) ここは明治の末期に民間の有料園地がつくられ、それを宇都宮市が買い取って昭和に入ってから公園として整備した。現在では山頂に宇都宮タワーが立ち、その周辺が桜苑になっている。

以前来た時は花見客で猛烈に込んでいたので早出対策をしてきたのだが、本日はなぜかガラガラだった。筆者が到着したのは午前07:20頃で、先客は4台ほど。このくらいの時間帯なら有料駐車場を使わずとも済むらしい。
交通整理係の警備員氏はもうこの時間から仕事をしていて 「よかったですね、まだ空いてますよ!」 と案内してくれた。 付近に駐車禁止の表示が大量にあるところをみると、相当な混雑を予想しているらしい。

さっそく競輪場脇の通路を通ってタワーの方に登っていくと…

おお桜が咲いている。 ……が、満開には至っておらず、3~5分咲きといったところだろうか。 うーん、もっと派手な状況を期待していたのだけどな(笑) でも今日一日晴天が続いたら夕方には7~8分咲きになっていてもおかしくはない。そんなほころび方だ。

桜苑をざっと見渡してみた。花の状況は似たり寄ったり。開花はしているので桜前線は到達しました、ということになるのだろうが、数日前に寒気が入って降雪があったりもしたので、その影響が残っているのかもしれないな。

それでもドアップで撮影すれば 「なんとなく咲いてますぜ」 的な写真にはなる。

背景の枝々が蕾の状態なのでよく見るとバレてしまうのだが(笑)、まあそこはそれ。

ついでに宇都宮タワーも画面に入れて遊んでみた。 営業時間前なので登ることはしないけれど、満開ど真ん中だったら良い景色が見られそうだな。

そんな園内をウロウロと散策。売店はまだ営業準備中でのんびりしている。 人出が出てきてから開店する様子で、「まだいいんじゃね?」 とか言っているのが聞こえてくる。営業していれば何か買ったのに、ちょっと残念だな。

さて八幡山公園には中央を縦貫する谷間のような地形があって、吊り橋を渡って往来できる。 渡った先にもいくらか桜はあるので様子を見てみよう。

橋を渡って遊園スペースにやってくると……桜は咲いて居るには違ないのだが、やはり5分咲きくらいで時期尚早の感あり。 日も高くなってぼちぼち人は増えてきているようだが、やはり誰かが 「満開です、サイコー♪」 とSNSに投稿しないと、出かけようという人は増えないのかもしれない。

まあとりあえず、宇都宮の状況はわかった。花具合の良さそうな一角をドアップで撮ったら、さらに南下してみようか。
<つづく>