2025.04.05 桜周遊:県央~県南方面(その4)
■ 足利方面へ

さて太平山を抜けた後は、おまけで足利方面に向かってみた。桜を見るという目的はほぼ達成しているのだけれど、時間もあることだし足利フラワーパークでも見てみようかと思った訳だ。そんな次第でR50を西行する。

渡良瀬川を渡ると土手に菜の花が見えた。筆者の在住する那須近郊ではあまり河原が菜の花で埋め尽くされるという風景はないのだが、関東平野の河川ではよくみられる。 これはかつて河川敷で菜の花が栽培されて油をとるという時代があった名残といわれている。

菜種油は現代では輸入物が大部分で、河川敷に咲く菜の花は昔栽培されていたアブラナの子孫にあたるらしい。ゆえに菜種油を生産していなかった地方には菜の花の土手もない。 筆者の居住地は、その生産していなかったグループに入るようだ。
……とまあ、余談はそのくらいにして、今日は桜を見る旅なので先を急ごう。
■ 足利フラワーパーク

そんなこんなで足利フラワーパークにやってきた。
みれば晴天の休日の割りに混雑はそれほどでもない。まあ花暦的にいえば本日の世間の関心は公園や堤防の桜であろうから、わざわざ有料施設であるここに来る理由は薄いのだろう。 駐車場の係員に聞いてみたところ、今日は正門近くまで行けるよ~というので正門の100mほど手前の駐車場に滑り込んだ。ここにも桜があり、開花状況はほぼ満開だった。

やはり開花したばかりの花は美しいね。

さてせっかく来たからには入ってみよう。

園内は、うーん…微妙に地味かな(笑)
薔薇(ばら)や藤のような派手さのある花はまだ季節的に早すぎ、咲いているのは菫、チューリップ、デイジー類にポピーといったところだ。 よくみると路地植えの花がゆっくりと花芽を伸ばしているのに対し、くポッド植えの花を並べて賑やかしにしているようだ。春は次々と花種が遷移していくので、入れ替えながら景観を維持していくのだろう。

そんな努力もあって有料施設であることに不満の出ない程度の花具合にはなっている。さすがに手入れは行き届いていて、「行ってきたよ!」 とSNSに写真を投稿するのに困ることはなさそうだ。

花壇の王様、チューリップは7~8分咲きくらいでちょうど見頃のようだった。日光の当たっているときに花が開き、暗くなると閉じてしまうのだが、この開閉は花びらの根元の外側/内側が交互に成長することで行われているので、花は毎日大きくなっていき最後にはゆるゆるのべろんべろんな外観(なんだその言い草は)になってしまう。 そんな次第でチューリップも開花直後がいちばん形が整って美しい。

そして桜も、いい感じで咲いていた。こちらは枝垂桜。ソメイヨシノより若干開花が遅いので見頃にはもうあと2~3日待ちたいところだが、まあ悪くはない。

5月以降に来てもまったく目立たないのだが、実は園内には思いのほか桜の木が多く植えられている。 市街地や道路沿いの桜は電線や看板が邪魔になることが多いけれども、園内にはそういう無粋なオブジェは少ない。

まあこれはこれで、良い桜ではないか。

園内をウロウロしていると、早咲きの石楠花(しゃくなげ)をみつけた。4月の初旬にもう咲いているのか。筆者宅の近所では5月くらいの花なんだけどな。

名物の藤の木は花どころか葉も出ておらず、スケルトン仕様で枝を広げていた。ここまで大きくなってしまうと自立は難しいようで、藤棚で枝を支える必要がある。見頃は5月連休の頃だ。

園内にはこれ以外にも見どころは多いのだが、今回は桜がテーマなので余分なところはカットしよう。とりあえず4/5の段階では宇都宮は見頃にはやや早く、栃木~足利のあたりが満開、ということは分かった。まずまず、満足すべきところだろうな。

その後は天気予報の通りに雲が涌いてきて、日が陰ってしまったので撤退。
ひとまずは、春の訪れを堪能できた。
ということで、今回はここまでとしたい。
<おしまい>